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- 今日の一枚49"Night In Manhattan"リーワイリー
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2014.10.29 Wednesday
久しぶりにこのベテラン歌手を。
極初期の頃に取り上げたリー姉さんですが、むしろ彼女の代表作と言えばこちらでしょうね。いや、勿論Duologueもエェ作品でっせ!
1908年生まれの姉さんやさかい、50年のこの作品では円熟味が極まってる頃やったんかな?女性ヴォーカル物屈指の名盤として君臨しておられます。
相も変わらず、張り上げも唸りもせず、スキャットもせず、本当に淡々と優しく歌いかける姉さんの芸風はそのままです。
かといってクールと言うわけでもない。
上品にスウィングしてるだけでもない。
凄い深い所にいはるんですね、姉さんは。
ちっさな楽しさみたいな感じかな?大袈裟なモンやのうて。しみじみ噛み締めて噛み締める感じ。
ほんで、また大好物のボビーハケットtpが参加しとるんやね。絡むね!今回も!!上手にッ!!
抜群の仕事しはる。控えめで目立たへんけど、"あぁ〜〜……、やっぱり貴方ねぇ〜〜……"って思わせてくれる。
各曲によって、ジョーブシュキン(とオーケストラ)、スタンフリーマン、サイウォルターの三人が、ピアニストとして参加してはるけど、三者三様にリー姉さんの歌を受け止めて聴かせてくれとります。
いよいよ冷え込んできたこの時期にシットリ、ジックリ、シッカリ聞き込める傑作♪
- 今日の一枚48"Songs Of New Orleans"プリザベーションホールジャズバンド
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2014.10.25 Saturday
はい、ご無沙汰のこのコーナー、戻って参りました。店は夏場ほど暇ではないもののナンヤカンヤ追われる日々で更新出来てませんでしたね……m(__)m
さてさて、今回はかなりの変化球を。
プリザベーションホールってご存知です??ジャズ生誕の地ニューオーリンズの中心地フレンチクォーターにあるライブハウスですわ。
1961年に、もともとアートギャラリーとして使われてた空間を、暇してる地元ミュージシャンの練習場として解放したら、いつの間にやら、アートより音楽を聴きに来る人でごった返すようになって、ほな、ライブハウスにしよか!?って感じで始まったそうです。
アランジャフィってオッサンがマネージメント兼プレイヤーとして仕切ってたそのホールは伝統的なニューオーリンズスタイルのジャズを頑固に守り続けとるらしい。この一枚は数年前に実際に観光でホールを訪れた、うちのジャズになぁ〜〜んの興味もないお客さんがお土産で買ったものを頂いたんですわ。
聴いてビックリ!21世紀の現在でもこんな、ひなびた、古くさい、生々しい、最高なジャズをやる連中がいるんですな♪
ホンマに出来たての頃のニューオーリンズスタイルなんて、それこそ百年以上前の時代なんやし、今は聴くことが出来ん。でも前に紹介したようなバンクジョンソンを、始めとするニューオーリンズリバイバル(1940年代初頭)のおかげで、出来たて当時のニューオーリンズジャズがだいたいどんなスタイルやったかは推測でける。
このCDで聴ける演奏は恐らくそんな当時とほとんど変わってない内容。コテコテのニューオーリンズスタイル!
ニューオーリンズで産まれたジャズはその後シカゴやニューヨーク、カンザスシティや西海岸で色んな発展を遂げることになるんやけど、ドッコイそんなものには目もくれない、ドッコイ生きてる故郷の音楽で、ドッコイ変わらない美学!てな人達もいたんよね。うん、名演です。
洗練されてないとか、古くさいとか、ジャズに聴こえないとか、
ぜ〜〜んぶ、逆に誉め言葉に聞こえる!
とりあえず先入観なしにお気楽〜〜に聴いてみてください。この作品やなくても、プリザベーションホールジャズバンド名義で作品は入手可能みたいです。
内容は…………………、ほぼ変わらんやろ(笑)勿論(笑)
- 本日より
- 10月22日おやすみ
- 今日の一枚47"1941-1942"ジョンカービー楽団
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2014.10.15 Wednesday
スウィング時代の渋い名ベーシストの名演を……と思っていたのですが、ペットに心を奪われてしまいました。
リーダーは名手ジョンカービーb。素晴らしいベーシストでっせ。スウィング全盛期を支えた抜群にリズミカルなプレイは必聴もの。この作品でも決してグイグイ引っ張る感じではなく、品よく、尚且つ、躍動感満載の名手ップリを発揮してはります。自己主張が強い訳やないのに音色が綺麗なせいか良く通るベースサウンドですな。
さてさて、冒頭に触れたトランペッターをば。CDお借りしたときは"あぁ〜〜、ジョンカービーや!かっこエエに決まっとる!!"思うてかけてみたら、全面的にペットをフィーチャーした内容なんですな。ほんでこれがまたかっこヨロシイ!!"誰や!?こいつ!?"思うたらチャーリーシェイバースさんですな。
この人のリーダー作は全く持ってないんやけども、時々誰かしらのセッションでお見受けしてて、エエ人やなぁ〜♪とはお慕い申しておりましたが、この作品で爆発しましたな。
同時代のビッグネームの影に隠れてしまってんのは、あまりエエ作品に巡り会わなかったかららしい。ほんなら、これ聴いてくださいッ!!全面的にシェイバースの魅力たっぷりでっせ。ちなみに、彼のキャリアの頂点はやっぱりこの辺りのジョンカービーとの共演時期みたいですし。
エルドリッジもいい!バッククレイトンもいい!ハリーエディソンもいい!
でも、シェイバース!負けてないッ!!アタシは知ってるよ!
ほんでシェイバースの対抗馬的な感じでいい味出してるのがラッセルプロコープなんですわ。エリントニアンとして名を馳せる彼ですが、このアルバムはエリントン楽団加入前なのかな?アルトサックスで、持ち前の軽やかで卓越したプレイで大活躍!この人の鮮やかさがあるからシェイバースの渋さが引き立ってる様にも思えます。しかもクラリネットもエエなぁ〜思うてたらバスターベイリーやしね。あら!?ピアノはビリーカイルやないのッ!!
そら、よろしおまっしゃろ〜♪
くどいようですが、ジョンカービーのプレイを楽しむのにも最高のアルバムですよ。うん、間違いない内容♪
- 今日の一枚46"Meets Coleman Howkins"コールマンホーキンスとエリントン楽団
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2014.10.09 Thursday
ひさしぶりに王道のテナーを。
Mr.テナーサックス、ホーキンスとエリントン伯爵の共演です。
この作品の何が好きかって、ホークがいつもよりクールなんです。いや、気のせいか?いや、個人的にはそう思う。
実はホークのアルバムってアタシ全然数がない。レスターはなんぼでもあるのに…。勿論の黒々とした、熱いジャズの方が好きなくせに、こと、サックスってなると軽めのレスターをついつい集めてしまうんですな……、なんでやろ?
で、この作品でのホークは、いつもの溢れ出過ぎるダンディズムみたいなんが、少し抑制されてるように思える。聴きやすいんですな。でも、ホークのあの"深い艶"みたいなんはそのままやから、堪能は出切るけど、いつまでも聞いてもおれる。このへんがミソかな?特に"Mood indigo"後半のロングソロは、最小限のバッキングの上に、まさに"語る"ようなホークのテナーが続きます。
あとは、テナーとアルトの両雄が共演してるのも嬉しいですな。ホッジスasね。野太いホークのテナーと、軽やかに甘ぁ〜いホッジスのアルト。んーー!贅沢ッ!!
エリントニアン達もこの時代の主要な人等は揃ってるさかいに、充実した内容でっせ。
特に光るのはレイナンスかな。
コルネットは勿論のこと、お得意のヴァイオリンもかなり聴かせてくれます。ホークとの絡みの場面なんかは特にエエ仕事してます。
さぁさぁ、この豪華共演をどっしり腰据えて聴き込んでくらはい♪
- 10月の三連休につきまして
- 今日の一枚45"Jazz Pictures"リタライス
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2014.10.03 Friday
オランダ人女性ヴォーカルいきまひょ。
リタライス姉さんです。
私的白人的理想的洒落オツヴォーカルやと思ってます。うん、あくまで私的。
チャーミングで、少ししゃがれてる、至極全うなヴォーカルスタイルやねんけど、あんまし白人女性ヴォーカルが好みやないアタシの耳に、この姉さんはかなり心地よく響きます。なんでやろ?分からん。何となくこの人は好き。
ずっと前に紹介したリーワイリーも白人女性ヴォーカルやけどタイプは全く違う。でもなんでやろ?二人とも好き。もしかして白人女性ヴォーカル意外といけるクチ???
とりあえずこのアルバムを名盤とさせてるのは、姉さんのオサレヴォーカルは勿論のこと、ケニークラークがゲストドラマーで参加しとるんやね。姉さんの旦那でこのライブでピアノ弾いてるピムヤコブが、パリでたまたまこの名ドラマーと出くわして、
"ライブやるから叩いてやぁ〜"言うたら、
"そうなん?エエでぇ〜"
って、話まとまったらしいです。
ん!!さすがの名手ップリを発揮しとります。
選曲もヨロシイな、特に一曲目はアタシの大好きな"手紙でも書こう"や♪
その後も、ベタなスタンダードがようさん入ってます。
ハイレベルの演奏がホンマにお気楽〜〜に楽しめる一枚♪
- 今日の一枚44"Petite Fleur"エドモンドホール
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2014.10.02 Thursday
酔っぱらいクラリネット、エドモンドホールです。
いや、別にこの人が酒癖が悪かったかどうかは知らへん。でも酔っぱらい感溢れる演奏なんやね。うん、スウィンギー♪
ニューオリンズスタイルの人ですな。それでも幅広くこなす人で、色んな所でお見かけします。でもどこでお見かけしてもエドモンドホールの酔っぱらいップリは同じ(笑)
音が汚いんですね、良く言えば豪快……。
濁り気味の歪んだ音で、時々突拍子もない高音がつんざく、そんなプレイを思いっきりスウィンギーにやるもんで酔っぱらいなイメージを抱いてしまうわけです。
取っつきにくい??
全く!!
楽しいの一言につきまっせ。酔っぱらいみたいなオッサンがハッピーにスウィングさせてくれる、最高やないか!
しかも年季の入った燻し銀なプレイは、むしろ分かりやす過ぎるほどの魅力をもっとります。
ほんで、一曲だけヴォーカルが入ってるんやけど、これがまたエエ味だしてます!オッサンの鼻歌みたいなもんやけど、暖かみのある渋い逸品です。
演奏全体も極上のスウィング感に溢れとります♪